第36回ビジネス交流会(6月21日) 開催実施報告

【東京ビッグサイトに白門大集合!  白門OBが各社で手掛けるビジネスを「見て・触れて」】~普段実際に目にする機会が少ない製品・サービスの内容をよく理解し、ヒントを得て、ビジネスマッチング~   

ビジネス交流委員会では「白門OBが実際に手掛けるビジネスを具体的な製品・商品に触れることで理解を深め、親交を図ること」と「ビジネス界で活躍する白門OBを応援し、白門のプレゼンスを高めることを」狙いとして、今回は 東京ビッグサイトで6月21日から23日まで開催された、2つの展示会に出展中の白門OB企業のブース訪問を実施いたしました。

  • 日本ものづくりワールド2023(東京ビッグサイト 東ホール全館)
  • 日本の食品輸出EXPO/JFEX(東京ビッグサイト 西ホール全館)

今回は、事前に出展社リストをもとに、経営陣の白門OBの有無を1か月程度かけて調査し、

ものづくりワールドに関しては60%の判明率、食品EXPOに関しては80%程度の判明率でありましたが、以下の企業の出展が判明しました。

◆日本ものづくりワールド(東ホール)

キャノン㈱:御手洗富士夫CEO(36法)

㈱本螺子製作所:本裕一社長(51商)

トークシステム㈱:徳武聖治社長(53理工)

マブチモーター㈱:大越博雄会長(59経済)

シンフォニーマーケティング㈱:庭山一郎社長(60法)

◆食品輸出EXPO(西ホール)

しまね有機ファーム㈱:吉野俊彦社長(42商)

木徳神糧㈱:平山惇会長(45経済)

日本ハムグループ:大社啓二相談役(55法)

東洋水産㈱:今村将也社長(56商)※6/22付副会長

㈱大冷:富田史好社長(56商)

昭和産業㈱:国領順二専務(59法)

㈱フジッコ:福井正一社長(60理工)

澁谷工業㈱:澁谷英利社長(H1商)

事前・直前・会期初日にわたって現地来訪の有無を確認し、また交流会参加希望は直前まで受付を継続し、当日は以下の時間運営を行いました。

【第0部:日中の自由見学】

出展社数が 東ホール1,700社、西ホール800社と膨大な数であり、時間をかけて回ることを希望される方向けに 「事前に入場パスを一括準備」し、発券列に並ぶことなく 時間を有効活用できる体制で対応しました。おおむね15時前後から 来場があり、エントランス付近での案内交付を実施しました。

【第1部:参加者全員での白門団体訪問】

 17時に全員集合し、記念撮影後、西ホールの食品輸出EXPO,東ホールのものづくりワールドの順で、1時間で 各企業ブースの訪問を実施。OBが当日常駐することはなかなか稀ですが、石川県から出展の本螺子製作所・本社長、島根県から出展のしまね有機ファーム・吉野社長のご子息、入れ違いにはなりましたが徳システム・徳武社長、ならびに偶然ですが白門OBの松本所長はじめ、各社スタッフのみなさまにご挨拶・ご案内をすることが実現いたしました。

【第2部:懇親会】 近隣の飲食施設が限られるエリアではありますが、早めの確保により、東京ビッグサイト正面のCHINA GREENにて18時半より約2時間、懇親会を実施いたしました。東京第一法律事務所、内野さんによる乾杯のあと、展覧会事業をされている、ウィンダムの渡邊さんから「白門OGの林家つる子師匠」の情報案内、そして展示会への出展を多数されている、オーブ・テックの筒井さんからの「展示会出品製品等」に関する情報提供などがあり、最後の締めをSTN矢崎さんに行っていただき、閉会となりました

■平日、そして6月後半の多忙な時期での開催でありましたが、幸い天候には恵まれ、外部での開催であり、当日まで詳細が固まりづらいスキームではありましたが、無事に終えることができました。

文責:田作健一

附属横浜中学・高校にキャリアセミナー講師派遣 6月17日(土)

梅雨の合間、夏を思わせるような暑さを感じた6月17日、白門附属高校会よりキャリアセミナーの講師を2名派遣いたしました。

  菊地氏の話を真剣に聞く中学2年生たち

大学学事部主催、対象 中学2年生

講師:菊地 博之氏(H5年卒)

約200名の中学生を前に建設業界で設備施工管理会社の営業職である菊地氏と三菱重工業のエンジニアである矢ヶ崎講師による約2時間の「働くってどんなこと?」講座が開催されました。

前半は自己紹介・勤務する会社の仕事・営業職の仕事・働くって? というテーマで画像やイラストを多く使いわかりやすく説明し、時には生徒たちに優しく話しかけて興味を抱かせユーモアたっぷりの楽しい講演でした。

働くということは安定した収入を得るだけでなく、厳しい場面もあるがやりがいを見つけて、社会の役に立つことや、いろいろな経験をすることに価値があると身近な体験からわかりやすく説明して多くの生徒たちが納得したようでした。Enjoy Work, Enjoy Life.

後半は学習支援Webサービス(FORMS)を使い、質問を集め生徒と講師が直接ディスカッションしたり、講師から逆質問が出たり、多くの生徒が積極的にディスカッションに参加しました。時間の関係で直接質問ができなかった生徒が多くでるほどに盛りあがりました。

「中大附属中学・高校で学べるということは教育環境、生活環境に非常に恵まれています。今の時間を有効に使い自分のやりたいことを探し、何事にも興味をもって積極的に行動しましょう。そして在学中に友だちをたくさんつくりましょう。附属の友人は一生付き合える仲間です」との最後のメッセージで終了しました。 

(企画委員長 岩﨑 良三)

附属横浜高校主催、対象 高校1年生

講師:小田島 孝太氏(H11年卒)

秋には文理選択を控える高校1年生を対象に「先輩のキャリアケースを知る」「将来ビジョンのヒントを持ち帰ってもらう」「自分の将来と向き合うきっかけを得る」という3点を目的に講演いただきました。現職の㈱ソウルアロープロジェクトに至るまでの学生生活、3つの仕事の経験などをわかりやすく紹介、現職の魅力①仲間と一緒に働ける②ワクワクする仕事を自分でつくれる――を熱く語っていただきました。

後半は事前アンケートを基に質疑応答の形式で講演を再開。高校1年生の持つ現状と将来のギャップに関する質問で数多くの手があがりました。しかし、小田島講師の豊富なキャリアと人脈からあらゆる質問にも回答をしていく姿に、350名の高校1年生たちは唖然とした様子で聞き入っていました。進路を考えるうえで、「まずは自分の考えを持つこと。自分なりに分析し自信を持って決断することが重要」というアドバイスを与えると同時に、「どのように行動すべきか常に考える習慣を身につけましょう」という言葉で講演を締めくくっていただきました。

  講演後の質問にも熱心に対応

(幹事長 井上 均)

今回、南甲倶楽部白門附属高校会では上記お二人の講師の他に、升本部会長・清水副部会長・岩﨑委員長、井上幹事長が同行いたしました。中学生、高校生という若い世代が熱心に先輩講師に質問する姿を見ていると、暑い日ではありましたが爽やかな気持ちにさせられる土曜日でした。

C B S 駿河台キャンパス オープンセレモニー
見学会と移転記念式典 開催 6月4日(日)

今年4月の駿河台新キャンパス完成とともに後楽園から移転した中央大学ビジネススクール(CBS)主催の新キャンパス見学会と移転記念式典が開催されました。

  露木恵美子研究科長らと記念撮影

CBS=中央大学大学院戦略経営研究科は、2008(平成20)年に開設されました。

当時、他の有名大学が次々とビジネススクールを設置する中で、決して早いスタートではありませんでしたが、南甲倶楽部の物心両面の強力な支援により開設にいたりました。

CBSの特徴の一つは、ビジネス・パーソンに特化した経営大学院であること。受験資格を「就業経験3年以上」としていますが、実際の入学者の9割が30歳以上で、60%以上が課長クラス以上の役職です。社会人ターゲットということで、CBSは開設当初から後楽園キャンパスで授業が行われていました。

  模擬法廷(5階)見学
  図書館(12階)見学

今般の駿河台キャンパス完成とともに4月から新キャンパスでの授業を開始していましたが、新型コロナ感染症の第5類移行後の6月4日に、関係者を招いての新キャンパス見学会を実施。その後、14階のコモンズで移転記念式典を開催しました。

式典で来費として挨拶した川手正一郎副会長は、自らの90年の人生を踏まえ、ビジネスの世界での研鑽を積もうとするCBS生に向けた期待と激励を行いました。

  挨拶する川手副会長

企業交流委員会情報交換会 3月25日

企業交流委員会ではメンバーの情報交換と親睦をかねて、情報交換会を開催しています。今回は、ちょっと趣向をかえて落語の独演会に参加後、懇親会を行いました。

3月25日(土)新橋の内幸町ホールにて、三遊亭竜楽師匠の独演会に参加後、懇親会を行いました。週末の開催でしたが、6名のメンバーが参加しました。

三遊亭竜楽師匠は昭和57年に法学部を卒業しました。古典落語のほか、英語、フランス語、イタリア語など8か国語落語家としても知られています。

当日は、「不動坊火焔」と「百年目」という古典落語の演題を楽しんだのち、竜楽師匠を囲む懇親会に参加。メンバーだけでなく、竜楽師匠のファンの方々とも交流をいたしました。

企業交流委員会 ANA 機体工場見学会 ~Blue Hangar Tour~ 3 月 10 日

3月 10 日、東京羽田の ANA コンポーネントメンテナンスビルにて、ANA グループの安全運航を支える ANA 機体工場の見学会が 40 名の参加により開催されました。ご協力頂いた南甲倶楽部会員である梶田恵美子全日本空輸(株)取締役常務執行役員から初めにご挨拶を頂いた後、整備センターの池永亮様より ANA グループの整備部門(e.TEAM ANA)について説明がありました。

井上企業交流委員長の挨拶
梶田 ANA 取締役(南甲倶楽部会員)の挨拶

妥協を許さない安全を創る文化

機体整備は、事前に実施する定例整備、壊れたら実施する非定例整備、特別作業の3つに分類されており、ドッグ整備、ライン整備、エンジン整備、装備品整備、整備サポートの各部門が協力して、以下の3つの文化による人づくりを進め、絶対に妥協を許さない姿勢で安全を創る取り組みが行われていることが良く分かりました。

①安全品質を優先する文化:グループ全役職員に安全教育センター(事故機体の一部を展示)での教育、航空機からの緊急脱出研修を実施。整備部門では、安全体感教育(安全帯にぶら下がる体験など)、ヒヤリハット活動を実施。

②アサーション文化:アサーションとは、当初機⾧と副操縦士間のコミュニケーションに於いて行われたもの。現在では上司・部下の関係(権威勾配)を超えた相互コミュニケーションにより、気づきを伝え安全のレベルを上げる取り組みをグループ全体で実施。

③KAIZEN する文化:TAKO(e.Team ANA Knowledge Operation)という現場の気づきを発信してスタッフが組織的な改善につなげ組織全体のナレッジとして共有できる仕組み。eTPS(トヨタ・プロダクション・システム)による現地現物を重視した改善活動の実施。これらの取り組みの結果、1971 年を最後に 50 年以上死亡事故は発生しておらず、国内線の定時出発率(整備事由による 16 分以上の遅発欠航率)を 99.7%以上との説明がありました。1952 年に日本初の純民間航空会社である日本ヘリコプター輸送(後の ANA)として 2 機のヘリコプターでスタートを切った時代から変わらない安心安全への取り組みについて理解が深まるとともに、その凄さを実感しました。

スケールの大きさに圧倒された格納庫

とても有意義な全体説明の後、いよいよ格納庫の見学となりました。格納庫では、3 機の機体が整備されていましたが、我々、見学者は上層階から見学した後、地上階におりて機体の側まで近づくことができ、そのスケールの大きさに圧倒されました。特に航空機の心臓部であるエンジン構造の見学など、大変貴重な経験をすることが出来ました。一方、整備工具の保管場所での説明では、「小さな整備工具が一つでも見当たらない場合は、その日の整備作業は終了しない」との話を伺い、ANA グループの安全管理の徹底について、再認識しました。

今回の見学会では ANA 整備センター整備業務部の蟹江部⾧様他のきめ細かな準備・対応にもお世話になりました。この場を借りて御礼申し上げます。

見学会終了後は、羽田エクセルホテル東急で懇親会を開催し、見学会の話題で大変盛り上がり会員相互の懇親をより一層深めることが出来ました。

企業交流委員会では、今後とも各種見学会を開催してまいります。会員の皆様のご参加をお待ちしております。

企業交流委員会委員 横瀬達也(文)、黒川真俊(写真)

南甲倶楽部ビジネス交流会 2月26日~2月27日

地方創生を考えるビジネス交流ツアー in 南房総

去る2月26日(日)から2月27日(月)に第35回南甲倶楽部ビジネス交流会が行われました。

地方創生を考えるビジネス交流ツアー in 南房総
今回のビジネス交流会は「地方創生を考えるビジネス交流ツアー in 南房総」と称し、ビジネス交流会の中では過去に例を見ない、宿泊を伴い地方創生を学ぶという視察勉強会となりました。このツアーにはビジネス交流委員会の宿谷委員長をはじめ13人の会員が参集し、学習と懇親を兼ねた有意義な時間を過ごすことが出来ました。今回はこの視察の模様の一部を会員の皆様にお届けしたいと思います。

地方創生を考えるビジネス交流ツアー in 南房総
今回の視察の舞台は千葉県南房総市千倉町。多くの地方が過疎化、超高齢化という問題を抱えているが、千倉町も他の自治体に漏れずこの問題に直面している。千倉町といえば房総半島の最南端に位置し、その温暖な気候を背景に花卉の栽培や水産業が盛んである。しかし超高齢化の影響で、草花を栽培する農家が減少し、耕作放棄地が点在していた。水産業も同様で13あった漁業組合は今や1組合へと減少している。

昨今、行政主導の地方創生で成功している例が少ない中、地方創生に真剣に取り組み、成果を上げつつある企業がある。株式会社ブルー・スカイ・アソシエイツである。

地方創生を考えるビジネス交流ツアー in 南房総
金子社長によると同社は不動産媒介/金融アドバイザーなどをコアコンピタンスとしており、これを背景として地方創生を進めているとのことである。同社における地方創生を成功させるためのキーポイントは、観光の拠点となる宿泊施設をベースに創生のロードモデルを構築させたことにある。不動産などの資産を利活用し、観光の拠点である宿泊施設でお客様を滞在させることで地域の活性化を図る。そのため元々は小学校が保有する学校行事で利用していた施設を買い取り、新たにホテルとして利活用したのだ。拠点となる宿泊施設は15室、収容人数80名と決して大きな規模ではないが、2019年9月の営業開始から千倉の魅力を伝播する拠点として機能している。そして宿泊客の増大に伴い同社における地方創生事業の仕組みが回り始める。地元での雇用を促進し、現在ではホテルの中庭にグランピング(ホテル並みのサービスを野外で楽しむキャンプ施設)テントを5棟設置。また、空き家となった古民家をリノベーションし、ヴィラとして地域の資産を有効活用している。これは同社の不動産事業として機能している。また、食料の調達を地域の農業や漁業とも連携することで地域の活性化の一端を担っている。

地方創生を考えるビジネス交流ツアー in 南房総
農業においては、漸増した耕作放棄地を借り受け、新たにサトウキビを栽培する事業に乗り出した。南房総の温暖な気候はサトウキビ栽培の北限に位置する。古くから家庭菜園でサトウキビを栽培する習慣があった南房総の耕作放棄地にサトウキビ栽培をすることに着目。農業事業として「農地所有適格法人きびラボ」を設立したのだ。現在では2町歩の畑で無農薬栽培を行っている。そして収穫時期にはちくらつなぐホテルで東日本唯一のサトウキビ収穫体験やサトウキビ絞りジュースの試飲などのアトラクションを行い宿泊客に好評を得ている。収穫されたサトウキビは濃縮されシロップとしてパティシエに提供される他に、ラム酒として酒造・販売される。そのための蒸留施設として、地元有志と連携しペナシュール房総株式会社を設立。東日本初となるラム蒸留施設「房総大井倉蒸留所」を2022年8月に完成させた。これで栽培したサトウキビを製品化し流通させるサプライチェーンが確立したのである。

今後の展望としては、千倉の各所にある現在は住人のいない古民家を買い取り、リノベーションを行った後、別荘として再販を行っていく事業を進めていく。そしてオーナーが別荘を利用しない日はレンタルヴィラとして借り受け希望者を宿泊させる事業を行っていく予定である。ハウスキーピングはちくらつなぐホテルのスタッフが担当し、自社の持つ不動産事業・観光事業・地方創生事業を連携させると共に、千倉を中心とした南房総エリアを広域連携させ皆様をお迎えする準備が整いつつある。
(『小学校保養所からグランピングも利用できるちくらつなぐホテルへ』
ブルースカイアソシエイツ 代表取締役 金子岳人氏 講義)

金子社長の講演の後は、ちくらつなぐホテルの沖野支配人に館内を案内していただいた。

地方創生を考えるビジネス交流ツアー in 南房総
先述の通り、ちくらつなぐホテルは元々東京学芸大学付属世田谷小学校の生徒のための保養所として使われていた「青山荘(せいざんそう)」をコンバージョンしたホテルである。ここには世田谷小学校出身である金子社長の想いが詰まっていました。

地方創生を考えるビジネス交流ツアー in 南房総
青山荘は昭和4年に建立され、昭和49年に建替えられた施設なのであるが、現在の耐震基準に問題があり最終的には閉鎖を余儀なくされてしまった。卒業生である金子社長は青山荘と千倉町の恩返しの気持ちからこの場所をホテルとして生まれ変わらせる決意をしたのだ。観光事業としてお客様に滞在していただく拠点だけでなく、その広い食堂は地域の住人が利用できるカフェとしても機能し、結婚式の二次会や商工会の会議の場としても利用され、地元において大人数が収容できる施設として機能している。

先述の通り、ホテルではサトウキビを使った体験アトラクションを発信し、古民家を改修したヴィラのマネジメントも行う拠点としてホテルは大きな機能を担っていることに関心した。

地方創生を考えるビジネス交流ツアー in 南房総
最後に当倶楽部のビジネス交流委員会の委員であるブルー・スカイ・アソシエイツ シニアアドバイザー 沖中克也氏に『事例に学ぶ地方創生と地方行政の現状』と題して講演を行っていただいた。沖中氏によると、自治体における地方創生の成功とは、人口が増加し、これに伴い税収が増加することであるとのこと。どの地方自治体も例に漏れることはない。このため、まち・ひと・しごと創生本部と内閣府地方創生推進事務局とが両輪となって施策に取り組んでいるのが現状ではあるが、昨今の大きなショックを与えた新型コロナウィルス感染症が人の意識・行動に影響を大きな影響を与えたと解説する。

まち・ひと・しごと創生基本方針として、①住民の安定収入 ②人口の増加 ③結婚・出産・子育て ④集客の安定化などが挙げられる。

一方南房総地域では、館山までは首都圏からのアクセスは良いが、館山から千倉までの移動手段が少ないという問題を孕んでいる。今後乗合電気自動車や電動三輪車などの二次インフラを検討しているという。

また、地域自治体の本気度も地方創生を実現していくためには重要なポイントの一つである。過去に於いて地方創生の手段として工業団地の誘致や大規模商業施設の建設などが実施されてきた。しかしながら大きなショッピングセンターなどが出来ると近隣に根差していた個人商店などが閉店に追い込まれるなど、決して成功した例は多くないと指摘。一方で東京ディズニーランド、志摩スペイン村、別府温泉など地域活性化に成功した施設もあり、その成功要因分析を行うことで新しい地方創生を行っていく必要があるという。

ちくらつなぐホテルに於いて、従業員は地域に根差すために移住し地元との連携を培っていく他に、その地域で出来ることを中心に伸ばしていくという方針のもと、サトウキビの栽培を行う事となった。サトウキビの収穫は、10月下旬から2月までの間に行います。夏の観光シーズン以外のアクティビティになります。また絞った残渣であるバガス(Bagasse)は餌として「市原ぞうの国に納めている。代わりに象の糞を回収し肥料としており、双方の廃棄物を捨てることなく有効利用出来ているという。このように地元と共に歩んでいける地盤づくりが成功の鍵となることを知ることが出来た。

この後、日本では唯一の食べ物の神様である高家(たかべ)神社の参拝を行い、一日目が終了した。

地方創生を考えるビジネス交流ツアー in 南房総
二日目は、畑でサトウキビの収穫を行い、ラム蒸留工場である「房総大井倉蒸留所」の見学を実施。畑で収穫したサトウキビを絞って糖汁をいただいたが、ふわっと黒糖の風味を伴ったジュースのようである。ここ南房総は秋・冬には南国と違い寒暖の差が大きくなるためにより甘いサトウキビを作ることができ、その糖度は沖縄のサトウキビの平均糖度が18%であるのに対しここでは22%にも上るという。

地方創生を考えるビジネス交流ツアー in 南房総
5月に植栽された苗は10月から2月に収穫時期を迎え、収穫されたサトウキビは約2か月でラム酒として生まれ変わる。房総大井倉蒸留所の隣には一日一組限定の古民家ヴィラとして5月より営業を始めるためリノベーション工事が進んでいる最中であった。

地方創生を考えるビジネス交流ツアー in 南房総
こうして、第35回ビジネス交流会は「地方創生」という非常に重要であり且つ困難な問題に焦点を当て、南房総で行われている取り組みを垣間見させていただくことが出来た。今回ご協力をいただいた株式会社ブルー・スカイ・アソシエイツ 金子社長、沖中氏 宿泊でお世話になったちくらつなぐホテルの方々、サトウキビ栽培の解説をいただいた、きびラボの三瓶氏、ペナシュール房総の青木氏など多くの方々にお礼を申し上げます。

2023年新年賀詞交歓会 1月27日

2023年1月27日(金)東京ドームホテル

都心に新キャンパス
箱根駅伝の好成績
幸先よいスタートに活気あふれる会

 大寒波が押し寄せたこの日でしたが、久しぶりに顔を合わす方々で会場は明るい雰囲気で盛りあがっていました。司会進行は、魚本
晶子事務局長補佐により行われ、まずは校歌を3番まで斉唱。次に足立会長の挨拶、祝辞は中央大学理事長、学長、学員会会長へと続きました。乾杯の発声は鈴木名誉会長、中締めは早河副会長が行いました。

会の模様は「南甲チャンネル」で動画掲載

企業交流委員会 全体会議 1月26日

企業交流委員会の全体会議が1月26日、18時より一ツ橋ビル4階会議室にて開催されました。芳井敬一専務理事にも参加頂き、15名の出席者によって活動実施報告や今後の計画等につき熱心な討議が行われました。

2019年度までは流通産業・建設/製造・金融の3部会でそれぞれ独自に活動してきましたが、2020年度以降は部会制を取り止め、以下の3つを新たな活動の柱としています。①南甲倶楽部会員全員に対するセミナー、同じく全員に対する②見学会③委員会メンバー同士の情報交換会の3つです。

全体会議では、過去3年間の活動実施報告と総括を行った後、今後に向けた3つの柱の活動計画では多種多様なアイデアが数多く交わされました。この議論を基に、皆様へ更に充実したセミナー・見学会等を提供していく予定です。あくまでもリアル・対面にこだわった企業交流委員会の活動にご期待ください。

なお、会議の後はメンバー同士の情報交換会として、早速隣のビルの中華料理店に移動し、夜遅くまで親睦を深めたのは言うまでもありません。


企業交流委員会 副委員長 鈴木 浩

南甲倶楽部ゴルフ会 第340回 12月17日

2022年12月17日(土)千葉カントリークラブ川間コース

天気予報で本日は雨、ここのところずっと晴天、明日も晴天でしたが、今日だけピンポイントで雨。この時期の雨は寒くてたいへんです。ゴルフ場に向かう途中から雨が降り出しましたが、ゴルフ場に着くと雨はあがりました。

雨予報にもかかわらず、8時40分キャディマスター室前に初参加の福島顕揚さん(H7卒)久しぶりに参加の木村実牙男さん(S56卒)、中国に行っていたため8年ぶりの山谷広典さん(S62卒)を含めた8組32名のゴルフ好きが集合。

 玉澤会長のご挨拶をいただき、集合写真を撮り、9時3分に東コース、南コースから4組ずつスタートして行きました。
 結局雨は一粒も降らず、15時にはすべての組がラウンド終了。15時30分から表彰式が行われました。いつもお世話になっている千葉CCのドンこと仲長先輩よりご挨拶をいただきました。それから陸上部OBで自らも箱根を走った木村実牙男さんに2023年の箱根駅伝の展望をうかがいました。青学、國學院と強豪がひしめく中、よければ3位、悪くても6位以内と白門OBにはこたえられない内容でした。
ゴルフの結果は、優勝は石井邦房さん、46、47、グロス93、HC24、ネット69はご立派。準優勝は前々回も準優勝の門山さん、3位には初参加の福島さんが入りました。ベスグロは今年2回目、87で仲長先輩でした。
 今回をもってHCを改正します。皆さま、今年も奮ってご参加ください。

企業交流委員会 金融セミナー 11月29日(火)

 「金融セミナー」が、参加人数を制限するなどコロナ感染防止対策を確り執り、2022年11月29日(火)18時より、一ツ橋ビル4階会議室にて金融セミナーが開催されました。

日時 2022年11月29日(火) 18時―19時30分
テーマ「コロナ禍で注目された金融機関と今後の在り方」
講師 川崎信用金庫 理事長 堤 和也氏/中央大学商学部 昭和62年卒業、南甲倶楽部会員


 企業交流委員会主催の金融セミナーは、「コロナ禍で注目された金融機関と今後の在り方」と題して川崎信用金庫 理事長 堤和也氏をお招きして開催されました。 締めの挨拶は芳井専務理事より頂き、閉会後は活発な名刺交換が行われました。ここではご来場が叶わなかった方へ講演内容の一部をお伝えさせて頂きます。

金融機関の経営環境・川崎市について


 昭和62年と令和4年を比べるとメガバンク、第2地銀、信金の数は大幅に減少しており再編が進んでいる一方で地方銀行はほとんど数が変わっていない。一方で政府による金融機関の合併促進策(特例法・補助金・優遇金利)により地銀の合従連衡も進みつつある。コロナ禍でネット銀行が台頭していることなどから、金融機関の経営環境が急変している。雑誌などでAIにより10年後に無くなってしまう職業に「銀行窓口係」がランキングされるなど産業としての金融機関の未来は必ずしも明るくはない。

 川崎市は全国の自治体で人口が減少する中で、住民が増加しており生産年齢も多く神奈川県をけん引している。ハンバーガーに例えると、東京というバンズと横浜というバンズに挟まれた一番おいしいミート!それが川崎であると説明している。川崎の基幹産業は現在も工業であるが、産業構造は様変わりしている。従来は総生産の約6割を工業が占めていたが現在は50%以下に低下しつつあり、代わって不動産賃貸業やサービス業が上昇している。特に不動産業は2倍以上に成長しており神奈川県の箱もの(賃貸物件)の空室率は全国で3番目に低く、川崎市は神奈川県の平均よりも低い。つまり川崎市の不動産物件の稼働率は高く、不動産賃貸業は川崎市の重要・有望な産業となっている。

住民・企業・行政が一体となっての川崎イメージの180度転換


 川崎フロンターレ、ミューザ川崎(音楽ホール)、岡本太郎美術館や藤子不二雄ミュージアム、新百合ヶ丘や武蔵小杉の発展などの影響もあり、現在は「音楽・芸術・スポーツの街」の明るいイメージが定着しつつある川崎市だが、過去は「公害とギャンブルと風俗」の印象が強かった。映画「ゴジラ対ヘドラ」の舞台として取り上げられたり、ヴェルディ川崎も東京へ去り大洋ホエールズも横浜へ移転するなどスポーツや文化が定着しないと言われたりと苦い思い出もある。

 現在の川崎市があるのは、重厚長大産業に安んずることなく「住民・企業・行政」が一体となって取り組んだ成果と理解している。ここではそのような取り組みの一部を披露したい。

【川崎モデル】
 川崎市には「川崎モデル」と呼ばれる中小企業支援の取り組みがある。東芝や富士通、日立製作所などの大企業が保有する開放特許を市役所や市の財団が仲立ちとなり中小企業による活用を促している。中小企業は大企業の優れておりかつ安全な特許を安価に活用でき、大企業も発明の対価を受け取れるほか社員のモチベーション向上にも貢献している。
 川崎モデルは宮崎県、長野県岡谷市など、他の自治体も共に取り組む広域連携へ発展しており、ますますプレゼンスを発揮している。

【出張キャラバン隊】
 市役所と信用金庫がキャラバンを組み窓口に来られない市民の元へ訪問し相談や申請を受け付ける。川崎市では「おせっかい」と「えこひいき」を良しとしておりニーズのあるところには呼ばれなくても出かけていく活動を行っている。お役所的な考えからは公平でないとか、なぜ川崎信金なんだという声もあがるものと思われるが官民が一体となって取り組んで大きな成果が上がっている好事例である。

【川崎じもと応援券】
 新型コロナに対する経済対策として2020年に「川崎じもと応援券」が発売された。第1弾は購入額の30%のプレミアムを付与し市民にも地元企業にも資する施策であったが、準備不足もあり応援券を使えるお店が少なく浸透しなかった。かかる状況を受けて川崎信金では、渉外係の融資や預金の目標を一時的に全廃し、川崎じもと応援券の拡販と使用可能店舗の開拓に注力した。川崎信金としては応援券から収益は生まないものの地域が活性化し川崎市が発展すればよいとの判断。結果、直近では2022年に発売された第3弾も完売するなど大いに普及が進んでいる。

【川崎市出張窓口の開設】
 川崎市は南部、中部、北部のエリアに分かれるが、北部には川崎市役所の窓口がなかった。川崎信金では店舗のフリースペースを提供、市役所は人材を派遣し北部に出張窓口を開設した。北部は農村部であったが元々行政サービスへのニーズはあるが窓口に足を運べない環境であったと思われ、ふたを開けたら最も相談数の多い出張所となっている。

今後の金融機関の在り方・川崎信金の強み

 小企業であり経理担当の専門部署を有していない小規模企業が多い。信用金庫の最大のストロングポイントはFace to Face、お客さまへの近さであると考えており社会を支える重要な役割がある。また、日本人のDNAに、GNN(義理と人情と浪花節)がある限り信用金庫は無くならない(笑)。

【信用金庫と銀行との違い・川崎信金の強み】
 信用金庫には銀行には無い協同組織性、地域金融機関性、中小企業専門性がある。株式会社である銀行にはできない利益第一主義ではなく地域社会の利益を優先した活動が可能であることが信用金庫の強み。

 川崎信金はコロナ禍で行われたいわゆる「ゼロゼロ融資」(無担保・無利子)の市内シェア70%。事業再構築補助金の申請承認件数は、神奈川県内のトップを誇っている。今後更に川崎信金ではコンサルタント業、お客さまの本業支援に力を入れ存在価値を発揮したいと考えている。銀行とは違う地域社会優先、顧客優先の姿勢を有する川崎信金はこれからも顧客に親しまれ求められるものと思う。

 2023年川崎信金は100周年を迎えるが周年を記念し百合丘に職員寮・社員寮を建設するなど各種周年イベントで地域を盛り上げていく。川崎市にお住いの会員の方、川崎信金のご愛顧をよろしくお願いしたい。

企業交流員会 委員 井上馨