カテゴリー別アーカイブ: 企業交流会
セミナー:「政府の財政赤字と日銀のバランスシート問題 ~金融市場への影響を考察~」

企業交流委員会
金融部会 第20回活動報告
9月2日(水)駿河台記念館

セミナー
「政府の財政赤字と日銀のバランスシート問題  ~金融市場への影響を考察~」

講師 中央大学商学部
原田喜美枝教授

 今回の金融部会セミナーは中央大学商学部の原田喜美枝教授を招いて開催されました。原田教授は金融学の専門家ということで金融庁金融審議会の委員を務め、また日本経済新聞の経済教室面への寄稿(2015年7月8日付「国際金融の規制 一層強化へ」)もされており、今回のテーマについてはどんな考察が展開されるのか、たいへん興味を持って参加しました。

冒頭、髙村専務理事のご挨拶から始まり、講義における原田教授の第一声は「今回は暗くなりがちなテーマですので明るい話を、と依頼されました。ご期待に添えない内容になるかも知れません」との前置きからスタートしました。

構成としては財政赤字・日本銀行のバランスシート・生活(金融市場)への影響の三部構成で、まず国の財政赤字の現実を明らかにした上で、その対策のための日銀の施策(量的・質的金融緩和)、そして日銀の施策通りに進まなかった場合にどうなるのか、欧州の債務危機の事例をもとに生活への影響を解説していただきました。

実際、原田教授の視点から日銀の施策について当初の狙いと現時点の進捗、そして現状から考える今後の問題点について解説いただくと、冒頭に前置きされた意図がよくわかりました。

しかし対話形式の質疑応答に移ると、そこはさすが金融部会に参加をされている諸先輩の方々です。悲観論だけではなく、楽観論としての考え方も展開され、会場は盛り上がりを見せました。まさに大学時代のゼミの1コマのような貴重な時間で、改めて有意義な講義内容だと認識させられたセミナーでした。

セミナー終了後は1階のプリオールに移動して、原田教授を囲んでの懇親会です。清川企業交流委員長のご発声で乾杯後、会場は日本経済の先行きに関して盛り上がり、さらに原田教授はソムリエ資格もお持ちとのことでワイン談義も追加され会場は大盛況でした。(金融部会 江森 智之)

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ビジネス交流会 第11回

講演会『しまむらの経営』 ~徹底した合理主義と自前主義~

講師 野中 正人氏 (昭和59年法学部卒) 株式会社しまむら  代表取締役社長

南甲倶楽部 理事

株式会社しまむら:設立 1953年 事業内容 総合衣料品販売

第11回のビジネス交流会は、参加者の期待も大変高く80名を超える過去最多の参加者の中、宿谷勝巳ビジネス交流副委員長の司会進行のもと、遠藤一義ビジネス交流委員長の開会の挨拶でスタートした。

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野中正人氏の基調講演

サラリーマンとして入社してから20年間、様々な部門を経験され、44歳にして社長に就任し10年間となる。売り上げは5018億円、営業利益も418億円、店舗数は1931店舗、社員数は16000名を超える規模である。しまむらの運営する業態は、ファッションセンターしまむらを中心に、若手シングル向けの男女カジュアル衣料のアイベルやべビー・キッズ用品のバースデイや上海、台湾と海外への進出も行っている。これから海外展開は課題の一つとのこと。しまむらの経営は、創業者が呉服店からスタートしているが小売業として、何をやり、何をやらないのかをしっかりと決め、経営を進めていった。講演の中で、しまむらの経営について、次の3点を中心にお話を頂いた。1.経営について 2.事業への取り組み 3.組織の運営

1.経営については、(1)衣料品の小売業を選択 (GMSで一番利益を稼いでいたのが衣料品)(2)チェーンストアの経営 (チェーン店は少ない資金で拡大可能で合理的な運営ができる)3)ソフトグッズの取り扱いに絞る (広げすぎず、得意分野で集中する)事業範囲を明確にしてすべての資源を集中すること。

2.事業への取り組みは、(1)安く売れればお客様が集まる (安く仕入れ、運営コストをかけない)(2)小売業は変化対応業で、品揃えのテーマは、量―>安く―>いいもの―>流行のもの―>トレンド―>ブランドへと変遷してきている。理屈に合わないことはせず、最も成果の望めることを第一と考えて行動する。

3.組織の運営については、まず、社員を大事にすれば、社員はお客様を大事にするので、お客様も集まり、業績が上がる。また、お取引先を大事にすれば、いい商品が入り、お客様が集まり、業績が上がり、株主に還元できるので、大事にする順番も明確にしている。経営理念で基本方針を明確にしており、人間尊重が社員の力となり、組織を強くしているということが、ひしひしと伝わってきた。

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第二部の懇親会は、上層階のパーティー会場に場所を移して行われた。野中社長を囲み、大変穏やかな雰囲気のもと、交流も進み第11回目のビジネス交流会は大盛況のうちに終了した。

 

第10回ビジネス交流会
平成26年11月27日
後楽園キャンパス3号館

「老舗に学ぶ企業長寿の秘訣」
~志 守るもの 変えるもの 継ぎ方 家族 創造的破壊・・・~

講演会講師

升本 正氏
(昭和63年中央大学経済学部卒 株式会社升喜 代表取締役社長 南甲倶楽部会員)
株式会社升喜:創業1875年(明治8年)酒・食品の専門商社 本社・日本橋

升本正氏

升本正氏

松田 敏之氏
(平成15年中央大学経済学部卒 両備ホールディングス株式会社 代表取締役副社長 南甲倶楽部会員)
両備ホールディングス株式会社 創立1910年(明治43年)バス、タクシー等の交通運輸、情報、生活関連事業等を含め13カンパニー、グループ50社 本社・岡山

松田 敏之氏

松田 敏之氏

今回で第10回目を迎えたビジネス交流会は約60名の参加者を迎え、竹内敬雄ビジネス交流副委員長の司会進行のもと、遠藤一義ビジネス交流委員長の開会の挨拶で始まった。次いで平成13年卒の小堀靖弘委員がビジネス交流会参加者の心得を記した「ビジネス交流会憲章」を読み上げると会場の雰囲気は一気にビジネスモードに切り替わった。

第1部は松田氏の基調講演からスタートした。
良くまとまった資料がモニターに映し出され、理路整然と語りかける姿は、単独で従業員数2,000人以上、連結で8,000人以上の大企業を牽引する若手経営者のイメージそのものだった。
しかし、講演が進むにつれ、完璧な資料や理路整然とした言葉の中に、大企業にも関わらず、個人商店のような家族的な人の温かみを感じずにはいられなかった。その理由は、すぐに分かった。講演の中でも随所にでてきた、人財を大切にし、リストラをせず採算の悪い事業があっても、他の事業を創り出してまで支え合ってきた歴史。そして今、松田氏が先頭に立ち、岡山を離れ東京を拠点とした関東圏へ進出する新プロジェクトを進めている。新旧、エリア、様々な形でグループ内で人が支え合っている。「これからは一層「人」が重要になる。」と断言しているところに人の温もりを感じたのだろう。
ちなみに、従業員の健康管理として30歳以上は全員人間ドッグを受け、問題があれば、それを個人でなく会社管理、それでも改善されなければ会長管理になるほどトップが率先垂範しているそうだ。

40分程の松田氏の講演の後、升本氏の基調講演は抑揚のある、もの静かな語り口調で始まった。株式会社升喜は創業1875年(明治8年)の醤油問屋から始まり、現在は酒・食品の専門商社として業歴140年を数える老舗企業だ。現在、日本の蔵元は全国に約1,500社あると言われており、実稼働しているのは約1,000社、その半分の約500社と取引があるそうだ。
1990年代から2003年にかけ、酒販免許制度の規制緩和により、スーパーやコンビニでも酒類が自由に買えるようになり、小売店のお客様が苦戦するが、小売店とともに乗り越えてきた。また、最近ではVMD(ビジュアルマーチャンダイジング)によって来店客により気づいてもらう工夫、努力をお客様である小売店とともに新しく取り組んでいるそうだ。
今まで、日本酒、焼酎、ビール、ウィスキー、ワイン等など、様々な種類のお酒を扱い時代の変化に対応して乗り越えてきた。「30年に1度大きな問題が起こるが、ピンチをチャンスととらえ、乗り越えられるかどうかが重要。それを努力によって乗り越えることが大切。」と力強く締めた。

その後、前回初の試みだった「講師と参加者によるトークセッション」というスタイルを踏襲し、一方通行でなく講師と参加者が相互に講演テーマに深く切り込み、活発なトークセッションがなされた。
参加者からは、何故自分が継承したと思うか?軋轢やその克服法は?帝王学は?変えないもの変えるべきもの?はといった質問が、次から次へと参加者の経験談も含めて飛び出し、ここでは書ききれないが、両講師は幼い時から今に至るまでのありのままの話を同窓である南甲倶楽部の会員の為に披露してくれていたように思えた。

トークセッション後、ビジネス交流委員会担当専務理事の清水正行氏より両講師に謝辞と記念品が贈られ第1部が終了した。

第2部の懇親会は、上層階のパーティー会場に場所を移し、後楽園の美しい夜景を見ながら両講師、参加者による懇親会が行われた。講師の升本氏より振る舞われたお勧めの4種のお酒も加わり、リラックスした雰囲気でさらに交流が進み第10回目のビジネス交流会は大盛況のうちに終了しました。

企業交流委員会第18回製造分科会 ANA訓練センター見学・研修会

第18回製造分科会見学・研修会は25名が参加し、東京都大田区の全日空訓練センターにて平成25年2月25日に開催されました。到着後、企業交流委員会高村委員長の開会挨拶からスタートし、大変意義深い講演と見学会を体験させて頂きました。

■講演 「お客様の声に徹底してこだわる~ Team ANAのCS推進」
現在、航空業界はLCCの台頭、JALの競争力回復、787のトラブル等、取り巻く環境は大きく変化しており、グループ経営に影響を及ぼすリスクは多岐に及んでいます。そのような中、ANAではコスト削減と効率化に務めながら「安全性・信頼性・高いサービスを発展」させている「CS(Customer Satisfaction:顧客満足)を軸にした経営戦略」を展開されています。講演ではその本質に迫るべくCS推進の概要をご講義頂きました。
ANAグループの経営理念を構成する基本理念、グループ行動6ヵ条をベースに、アジアNo.1エアライン(現状ではアジアのNo.1が実質的に世界のNo.1)を目指した「クオリティで一番」、「顧客満足」、「価値創造」に根ざすCS推進体制のビジョンを聴き、更に実際の感動エピソードを3本のドラマに仕立てたDVDを鑑賞して、CS展開の先にある、会社の業績向上、お客様の満足、従業員自身のモチベーションUPという3つの幸せに繋がるしくみを理解することにより、ANAの安心とサービスに対する考え方の神髄に触れることが出来ました。

■見学・研修 「全日空訓練センター」
今回の研修会の目玉は一般公開されていない「訓練施設」の見学です。前述の講演会場へ向かうフロア廊下を歩くと、ホンモノCAの皆さんが教室で研修を受講しており、期待に胸が膨らみました。ビル建屋の中では、航空機型番に合わせた実物大模型「モックアップ」を使った実技訓練が行われます。CA試験合格後、訓練センター36日間、OJT4日間の地上訓練を経て国内線乗務が始まるとのこと。特に海上遭難を想定した訓練用のプールや、数mの高さからの脱出シュートを使用した緊急着陸訓練施設などが印象的でした。いつも我々がお世話になっている乗務員の方々が実際に使われている訓練施設を見て、安全運行に対する弛まぬご努力を確認させて頂きました。

■懇親会「東京ガス㈱本社」
懇親会は東京ガス本社に場所を移し、大先輩・大西雅之氏(S36経)の乾杯のご発声でスタートいたしました。研修会では質問時間とれなかったため、講師を囲み質疑応答がなされました。
また、用意された銘酒(洗心・得月・万寿、黒龍の龍、獺祭磨き2割3分、楯の川)の利き酒をしながら、有意義な研修会が終了いたしました。

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(製造分科会幹事 小関 肇)

第14回金融セミナー「円高と日本経済」(その2)

平成24年6月4日(月)

「円高と日本経済について」(その2)

中央大学駿河台記念館において、参加者13名で第14回金融セミナーを第13回に引き続き中央大学商学部根本忠宣教授をお招きして、講義いただきました。

テーマは「アンガージュマンとしての政策論」。現代の日本社会は不信の連鎖がもたらす自由放任、不公正・不効率な社会であり、思考停止状態で空転する政治と根本教授は断じています。

中央大学商学部 根本忠宣教授

中央大学商学部 根本忠宣教授

第17回 スズキ湖西工場・スズキ歴史館 施設研修・見学会

平成24年2月24日(金) 「スズキ湖西工場・スズキ歴史館」

スズキ湖西工場 

当日は、静岡県県湖西市のスズキの湖西工場へ35名での訪問となりました。

スズキの国内工場で最大の生産台数と建物面積をもつ湖西工場は、国内の主力となる軽自動車を中心に生産し従業員数は約3600名だそうです。

スズキ歴史館にて記念撮影

あらゆる面で「小さく・少なく・軽く・短く・美しく」の理念が徹底されムダのない効率的な運営を目の当たりにできた有意義な見学会でした。

第13回金融セミナー「円高と日本経済」  

平成24年1月19日(木)

「円高と日本経済 ~その構造要因と国際通貨システム~」

今回の金融分科会セミナーは講師として根本忠宣商学部教授をお招きして開催されました。

円高の要因になっている様々な生のデータを確認後、為替政策の必要性の有無、円高の影響と企業の対応など、多くのデータに基づく解説は、単に学術に止まらない内容で、参加者も聴き入っていました。

根本忠宣 商学部教授

第12回 「第二回南甲倶楽部金融分科会セミナー」  

平成23年12月14日(水) 多摩キャンパス

「地域金融機関の現状と課題」

12月14日に「第二回南甲倶楽部金融分科会セミナー」を多摩キャンパスで開催しました。

本セミナーは、私ども金融分科会メンバーがゼミ生に対して「証券・銀行・生損保」の3回シリーズで、社会人の先輩として経験してきたことや実践的な話をさせていただくという企画で、第1回は昨年10月に野村證券の黒田さんが担当しました。

今回は、宇野教授、岸教授のご尽力で「商学部特殊講義」の時間枠を使って約25名の参加によって「地域金融機関の現状と課題」というテーマで東京都民銀行の渡邊さんが行いました。

次回は、富士火災海上保険の井原さんにお願いする予定です。

地域金融機関の現状と課題について

第18回 「海上自衛隊横須賀基地」研修・見学会

平成23年10月21日(金)海上自衛隊横須賀基地

「そうだったのか 海上自衛隊」

今回は海上自衛隊横須賀基地のご協力により、海上自衛隊の実態と私達との関わりについて勉強しました。

10月21日午前11時に25名の参加者で集合し海上自衛隊の皆様の出迎えを受けました。その後、横須賀基地の中への護衛艦「むらさめ」(4,400t)に乗艦。艦内にて、護衛艦や戦力などの研修後、3班に別れて艦内の船尾最後部のヘリポートや各種装備、また操舵室などを見学させていただきました。

今回は、本当は身近な存在でありながらなかなか知ることの出来ない、自衛隊の実態や国防の難しさ、また災害時の救援活動などを勉強できました。改めて自衛隊の皆様に感謝いたします。

護衛艦「むらさめ」艦上にて記念撮影

第16回 国内初中間階免震構造ビル 見学会

2011年9月、現在あらためて地震に対する対応が社会問題になる中、今回は国内で初めて高層階に免震機能を設け、現在は建設中の「三田ベルジュビル(仮称)」の現場見学会を行いました。時宣を得たテーマでもあり、28名の参加がありました。

まず実際に、免震設備のある階へ移動して設備を見学、意外に小さな装置によりビル全体をカバーできることにみな驚きました。

続いて、本ビルはキャスビーSランクを目指した省エネ・環境品質向上に配慮している点や、施工方法を工夫して工期を約5ヶ月短縮しているなど、技術の粋を結集したビルであることや、建設にあたっての苦労話などを説明していただきました。

その後、懇親会が開かれ、参加メンバーとの懇親を深めることができました。