セミナー:「今後の日本経済と不動産市況について」

企業交流委員会
建設不動産部会 第21回活動報告 9月26日(土)駿河台記念館
セミナー

「今後の日本経済と不動産市況について」
〜2020年東京オリンピックへの影響を考察〜

講師 角田 勝司氏
元 ㈱不動産経済研究所代表取締役社長

清川 昭氏
元 野村アセットマネジメント㈱取締役社長 南甲倶楽部企業交流委員会委員長

9月26日中央大学駿河台記念館において、建設不動産部会は「今後の日本経済と不動産市況」というテーマについて、経済、不動産分野の第一人者である角田勝司氏と清川昭氏による講演とディスカッションを実施しました。

当日は休日にもかかわらず合計34名が出席しました。その中には北海道や九州・熊本そして中国・上海(平成27年卒・中国人留学生)から来られた方もおられ、また先日の金融部会で講演された中央大学商学部教授原田喜美枝先生や現役ゼミ生並びに大学院卒業生の2名も参加されて、このテーマに対する関心の高さがうかがわれました。

内容としては、まず清川氏より、日本経済では『日本経済の現状と株式市場の展望』について、「第18回東京五輪以降の五輪開催国の株価動向」「日経平均株価と移動平均線」「日本財政と消費税増税〜主要税目税収の推移」の資料を中心に、また世界経済では『世界経済の現状と今後の展望』について、特に中国経済減速や新興国経済失速が見込まれるなか「世界のGDPと中国経済の現在と展望」を統計数字を基に説明されました。それらの説明は非常に一貫していて、客観的で分かりやすい内容であったために、参加者の皆さまからは一つひとつの説明にうなずく光景も見られ、今後の株式投資計画にたいへん参考になったと思われます。

続いて角田氏より『不動産市場』について戦後からの国の不動産政策を踏まえながら、オフィス市場やホテル市場並びに分譲マンション市場の抱えている問題点とJ-REIT市場の現状と今後の展望を専門的な独自の視点で説明いただきました。特に現在山手線の主要駅(東京、渋谷、新宿等)の再開発が目立つなか、今後は有楽町、新橋、神田などの駅周辺で、戦後からの既得権者所有地域における再開発の広がりが不動産活性化のポイントとなるというお話は角田氏が業界に精通されている感を強くしました。

最後に日本経済と不動産市況において2020年東京五輪に向けて、両氏から次の指摘がありました。今後、多少の紆余曲折が考えられるが、海外投資家や外資系法人による国内不動産売買の拡大が見込まれ、概ね順調に推移するだろうという考えで一致いたしました。

セミナー終了後、1階プリオールにて懇親会が開催され、参加者はこのテーマに対する余韻を残したまま、角田、清川両氏や原田先生とディスカッションを交わして、たいへん貴重な時間を過ごしました。

また南甲倶楽部委員会委員長や他の企業交流委員会部会長も参加されたために、まさに異業種交流の場となり、たいへんな盛り上がりのなか、盛会に終了しました。

今後も部会は建設・不動産に直結した見学会の開催や企業人の知見向上に役立つ講演会などを企画したいと思います。角田、清川両氏および原田先生には貴重な講演と懇親会の席でも続いた質問にもていねいにお応えいただき、改めて感謝申しあげます。(建設不動産部会長 鷲見 條司)

角田勝司氏の講演

角田勝司氏の講演

清川昭氏の講演

清川昭氏の講演